No.27 : 電波を使わない無線通信のススメ

2011年7月1日 up

    電波法によると、電波の定義は三百万メガヘルツ以下の周波数の電磁波ということになっています。光はもっと周波数が高くなりますから、光で通信するシステムは全く 電波法を無視してかまわないということになります。もちろん、無線局免許等の面倒な手続きも不要です。

    なぜ、こんなことを言い出すかと言うと、電波を使用してビジネスをするためには、電波法だけでなく、電気通信事業法とか放送法とかいろいろな法律もあり、がんじがらめに縛られてしまっていると感じているからです。 ある外国の無線通信事業者が日本で現地法人を設置し、無線局包括免許を取得して通信事業を行うまでのお手伝いをしているのですが、法律には何も記載されていないような添付書類の提出を要求されたり、どう考えても意味のないような書類の提出を要求されたりで、 新たなビジネスを邪魔しようとしているとしか思えない壁に突き当たります。

    このような経験をすると、屋内での近距離見通し通信システムなどは、電波でなく免許不要な光通信でやればいいじゃないか、と真剣に思えてきます。 10年以上前ですが、10Mbps位の光無線LANシステムとかビル間通信用の数100Mbpsの光通信システムもあるメーカから販売されていましたが、その後WiFiが急速に普及して淘汰されてしまいました。 今、光通信で生きながらえているのは、テレビやAV機器のリモコンと、携帯電話についている赤外線通信(IrDA)だけかも知れません。

    光通信は、回路が非常に単純で、単に光をON/OFFするだけですから、本来は非常に安価です。 ただ、高速である程度の距離を飛ばそうとすると、ビームを絞ったり、そのビーム方向に追尾をしたりする必要があるので、結局高価になります。 しかしながら、最近では、例えばPCと携帯電話の間の大容量ファイル転送等で、ほとんどくっつけて短時間でファイル転送するという用途が出てきました。このような用途ならば、光通信はうってつけです。 デバイスの進歩でON/OFF方式でも数100Mbps程度までは簡単に実現できそうですし、Gbpsクラスの速度が必要なら、複数のLEDで並列伝送をすれば良いのです。 これなら面倒な無線局免許や技術基準適合証明とかは不要ですし、業界も総務省の顔色を伺う必要性もありません。

    また、屋外での低速の光通信ならば、徐々にLED化されている交通信号を使うということも考えられます。交通規制や渋滞情報、位置情報とかをLEDの信号灯から常時流しておけば、そこを通過する自動車側で自動受信して運転席に表示できます。

    光通信でも、従来のような赤外線を使うのでなく、可視光を使う通信システムの標準化もIEEE802シリーズとして検討されています。可視光を使う利点は、通信しているのが目で見えるということです。 電波は目に見えないので、トラブル時等に電波が出ているのかどうかも簡単にはわかりませんが、目に見えるのは確かに安心感が違います。個人的にはもっと光通信が普及しても良いと思うのですが、そうならないのはなぜでしょうか?