No.5 : 無線で最も使いやすい周波数帯は?

2009年1月1日 up

    実際の無線システムで使われる周波数は様々です。
法律的には、電波とは「三百万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう」電波法第二条に規定されていますから、
3THz(3000GHz)以下の周波数で放射された電磁波が電波ということになります。
また、法律は人間活動をうまくやっていくためのルールですから、
電波法で規制される対象のものは人工的に作り出された電磁波ということになるかと思います
(太陽や雷の放射する電磁波は規制できませんからね)。

    実際に日本国内で実用的に使われている電波で一番低い周波数は、
軍用のものを除き、電波時計にも使われている周波数標準用の40kHzだと思います。
逆に一番高いものは、自動車の衝突防止用レーダに一部使われている76GHz帯ではないかと思われます
(電波天文のような外来電波の受信専用局を除きます)。
「思われます」というようないい加減なことを言う理由は、
一般に公開されていない範囲で無線局があるかもしれないのと、
そもそも出力が一定値以下の微弱電波と呼ばれるものは免許手続き不要のため、存在自体がわからないためです。

    一般用の電波の周波数別の使われ方については、
総務省の「電波利用ホームページ」で公開されています(軍用周波数は除く)。
また、登録されている無線局の情報についても原則公開ており、
周波数はおおむね正確な数値がわかりますが、正確な位置は特定できません
(局の位置は市町村単位までしか記載されていません)。マニアの方必携の「日本周波数帳」も参考になりますね。

    ところで、やはり使いやすい周波数というのはあります。
一般的に、周波数が高くなればなるほど障害物の向こう側への回り込みができなくなることと、
さらに数GHz以上では雨による減衰が無視できなることがあるので、
電波伝搬上はなるべく低い周波数が良いことになります。
しかし、低い周波数では波長が長いためそれに依存するアンテナや回路基板のサイズが大きくなり、
機械的な取扱いが難しくなりますし、小型化できないので移動用に使えないというデメリットもあります。
また、ビルの窓枠のサイズを考えると、波長が1m以上の電波はビル内への浸透力が劣ります。
さらに、現実的に扱える部品のコスト等も勘案すれば、屋外で最も使いやすい周波数は、
だいたい300MHzから1GHz位ではないでしょうか。屋内ではもう少し高い周波数でも良いかも知れません。

    この300MHzから1GHzという周波数の範囲での使われ方を
総務省の電波利用ホームページの図から抜き出したものが上の図です。
この図で真中の紫色がテレビ放送、右の赤色が携帯電話です。
無線周波数で最も稼げる「ゴールデンアワー」を放送が独占している感じですね。
地上波デジタル放送に切り替え後のアナログ空きチャネルの配分は決まったみたいですが、
(私も配分を決める検討会の一部に参加しましたが)すごく醜い争奪戦といった感じでした。
個人的には、テレビ放送なんか(ワンセグのような移動体向けを除き)
光ファイバーか衛星でやればいいじゃん、と考えるのですが? 放送関係の方々、ごめんなさい。